書籍・雑誌

2026年2月28日 (土)

踊りつかれて

(塩田武士著)を読了。2025年の5月ごろに出版されていて何かの新聞の書評欄に取り上げられているのを読んで「面白そう」と図書館で予約。9カ月で手元に届いた。

 自分が好きだった才能ある芸人と歌手。この人たちが「ある不道徳な振る舞い」をしたことで、匿名SNSや暴露系週刊誌でとてつもなく罵詈雑言を浴び、芸人の方は自殺してしまう。そのことに憤りを感じたこの人は「匿名のスナイパー」として攻撃した83人の個人情報をネットにさらすのである。その結果・・。

 匿名SNSによる誹謗中傷も問題は、この本でも十分描かれており、みなさんの感想にも書かれているので割愛して、ネタバレになるかもしれないが、私が恐怖に感じたのは2012年に起きた「尼崎事件」がモデルであろう出来事である。全く他人が家庭に入り込んで、その家族を支配する。警察は「民事不介入」であてにならず、そもそもが支配されるようになって逃げられる状況でも逃げなくなってしまうという精神状態。読みながら、というより読み続けるのが辛くなる出来事だった。現実の事件では主犯格の女性は刑務所で自殺している。こんな目にはあいたくないものである。(当たり前じゃ)

 今日は走った。5kmをキロ6分32秒。

踊りつかれて 

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2026年2月13日 (金)

帰艦セズ

(吉村昭著)を読了。7つの短編が収められており、どれも興味深い話だった。表題の作品について、文庫本の裏表紙には「昭和十九年、巡洋艦「阿武隈」の機関兵が、北海道小樽市郊外の山の中で「飢餓ニ因ル心臓衰弱」で死んだ。長い年月を経て、一片の記録から真相の追求を始めた男は、そこにかつて逃亡兵だった自らの過去を重ねるようになる・・」というもの。なぜ、帰還兵はなぜそんなことになったのか・・。そこには「些細なこと」が絡んでいた。またこの事件を追った元逃亡兵の話は吉村作品の『逃亡』に書かれている。まだよんだことはない。

 表題作以外では、『果物篭』が特に印象に残る。戦時中配属将校として中学校に赴任してきた通称「ハブ」。こいつが鉄拳を奮って中学生だった主人公らを鍛え上げるのである。それから年月が経て、中年となった主人公らが同窓会を開こうとするのだが、そこに「ハブ」も来たいと言うのである。鉄拳の恨みもあり怒り心頭の主人公ら。学年のみんなも同じ気持ちなので、来たら大変なことになる。ということで同窓会の幹事会を「同窓会」と偽り、数人だけで対応するのだが・・。「同じ時空間を過ごしても、立場によってこうも見方感じ方が違うかね」と思った。客観性などは絵空事で、各々の主観性が折り合いをつけることで話が通じているのかもしれない。

 今日の指示は「5kmテンポ走(5'20〜5'30/km)。短く、軽く、心肺に刺激を入れるだけ。※追い込まないことが大事。」というもの。なかなかペースが定まらなかったが、結果的にはキロ5分21秒だった。

帰艦セズ

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2026年2月 4日 (水)

掟破り

(大下英治著)を読む。水王舎という聞いたこともない出版社から出ている。

様々な「掟破り」を紹介している。登場人物が実名で書かれている。

 第1章やくざ同士の安全保障(関東二十日会の掟)、第2章岸信介の密約(政界の掟)、第3章高倉健(映画界の掟)、第4章広島やくざ戦争(やくざの掟)、第5章小池百合子(自民党の掟)、第6章孫正義(経済界の掟)、第7章田中角栄と竹下登(政界の掟)、である。私が所属していた組織(つまり勤め先)のことにもあるのかもしれないが、まったく無縁なままだった(と思う)。が、この手の権力争いの話が大好きでついつい読んでしまう。今の選挙も一か八かの「掟破りの衆院解散」からの一か八かの「中道改革連合結成」からの勝負に勝った「高市自民党の圧勝」(各社の調査より)の流れ。どの世界でも権力争いは「勝てば官軍」だよなあ。

 今日はcopilotコーチから「キロ6分45秒~7分15秒で30~40分のジョグor完全休養」という指示だった。ということでキロ6分51秒で40分よりオーバーしたけどキリよく6km。

掟破り

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2026年1月22日 (木)

作家と戦争 城山三郎と吉村昭

(森史朗著)を読み終える。昭和2年生まれの二人の作家。少年の頃は戦争中、青年時代の入り口で敗戦。戦争に行って、お国のために尽くす。」ということが思春期で当たり前とされていた時代である。『ストレンジャーシングス』じゃないけど、思春期の時の体験はでかい。そして『ストレンジャー』は作品としてそこで終わりだけど、人生はその後も続くのである。いろいろ考えさせられる。

 吉村昭さんの作品は昔いくつか読んだことがあるが、本当に緻密に事実を淡々と描いていくのである。今回紹介された作品で、特に、特に印象に残ったのは『総員起シ』である。「訓練中に不幸な事故で沈没した潜水艦・伊三十三。9年の歳月を経て引き上げられた艦内の一室からは、生けるが如き13名の遺体が発見された・・・。」というもの。艦内で酸素がなくなったため、微生物による腐食が進んでなく、さらに海底だったため、温度も低く、遺体がまるで生きているような状態だったのだ。写真をとりに中国新聞のカメラマンが入ったのだが、「立っている兵士」を見たのである。それは縊死した兵士の首がのびて、足が床についていたのだ。

 紹介された文章でも衝撃が伝わる。今度読んでみようと思う。

昨日は休養。今日は10kmをキロ7分21秒。寒すぎ。

作家と戦争 城山三郎と吉村昭

 

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2025年12月29日 (月)

まぼろしの維新 西郷隆盛 最期の十年

(津本陽著)を旅行中に読む。昔、司馬遼太郎の『翔ぶが如く』読んで「西南戦争の薩摩軍、どうなってんの?」と腹が立ったのだが、この本を読んで改めて薩摩軍について「ここに戦争の失敗のすべてがある。」と思ってしまった。

①補給を全く考えずに行動。

②自分たちが立ち上がれば、全国の士族たちが立ち上がるという都合のいい思い込み。

③相手をなめ切ってひどい目にあっても、同じ作戦の繰り返し。

④本来の目標(東京まで行って、現政府に物申す)を見失って、熊本城攻略へのこだわり。

⑤作戦が失敗しても責任をとらない体制。または「死ねばいい」という発想。

⑥まともな議論をしているのに「議を言うな」「臆病者」とばかりに、理屈が通らない作戦会議。

⑦総大将の西郷が無責任極まりない。無謀な桐野を諫めもしない。有為な若者たちがどんどん死んでいく。

まるで、物量に勝る米軍(明治政府軍)に立ち向かう日本軍(薩摩軍)のようである。「日中戦争、太平洋戦争の陸軍の無謀さと全く同じじゃないのか」と言う疑問から、このことについて飛行機の待ち時間とかにchatGPTと議論した。この西南戦争の結果、明治政府での薩摩の勢力が減じて、長州閥が幅を利かすようになる。そして、陸軍を支配したのが山県有朋。勝った陸軍/長州閥が何で?と質問するとchatGPTからの返答(要約)。

 この後、反乱軍の総大将だった西郷が英雄視される。これは他国の歴史ではあまり見られないことである。そのため、西南戦争での敗北の原因が覆い隠され、責任を追及しないようになった。そして、西郷のために命を投げ出して戦う薩摩軍の精神を、天皇のために命をささげる大日本帝国軍として参考にした、とある。皮肉なことに、負けた薩摩軍を参考にして陸軍の精神が出来上がったのである。結果的に失敗しても動機が純粋であれば責任をとって任務を解かれることもない。周囲も「和を乱すな。」と合理的な判断ではなく感情論で動いてしまう。そんな無責任極まりない体制が出来上がったということだ。ひどい話である。

 その後、海軍との比較なんかも訊いたのだが省略。現実にはグラデーションがあると思うが、「功利主義」か「義務論(動機主義)」かなんだろうけど、あの西郷さんは「自分の義を通す(いい人と思われる)のなら周囲の人間がいくら死んでもいい。」と考えていたんだろうか?

 今日はキロ7分58秒で20km。3日連続20km以上は、さすがに疲れている。

『まぼろしの維新 西郷隆盛 最期の十年』

 

 

 

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2025年12月12日 (金)

まつろわぬもの

(シルクシイ著)を読了。

 帯には「満鉄に売られたコタンの天才少年。昭和13年、憲兵となった少年は松岡洋右の命を受け、 『中国人』として大陸に放たれる。任務は日本軍の非道を暴くこと・・」さらに「密偵となった実在の諜報員・和気市夫ことシルクシイの死後十年をへて公刊された現代史の溝を埋める衝撃の感動とノンフィクション」

とあるが・・・。

 「ノンフィクションかあ・・。」である。これが小説ならそこそこ面白いのだが、正直、裏付け資料も注釈も何もなく、「あの賢く記憶力抜群で超体力のあるシルクシイが言っているだから本当。」ということでしかない。アメリカにいるときに「鈴木傳明」という日本人俳優の家に厄介になるのだが、実際に鈴木傳明は有名な映画俳優として実在しており、1985年まで生きていた。そういうことから何か証言があるとかあれば、信ぴょう性もでてくるのだが・・。もしかすると『怪書』なのかもしれない。実際どうなんだ。

 昨日は休養。薬飲んでるけど咳は時々出るし、頭もぼやっとしている。今日は9kmをキロ6分20秒。呼吸以外は大丈夫。

まつろわぬもの

 

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2025年12月 5日 (金)

ペリー

(佐藤賢一著)を読む。いっとき、佐藤賢一著であれば読むと乱読していたのだが、これは過去に読んだことがあるようなないような・・。忘れているのなら読んだことがないのも同じである。

 言わずと知れた黒船来航のペリーである。当時のアメリカの状況やペリーの立場が分かって面白かった。大統領から「武力行使はダメ」と言われながら、「武力も辞さず」とはったりをかますペリー。このペリーと日本側の交渉で、ペリー側から書かれているので、幕府の役人が何を考えていたのかははっきりわからない。しかし、その交渉を見ると決して「無知な幕府の役人」という感じはなく、知恵を絞り可能な限り西洋の圧力を何とかしようという感じはある。江戸時代、識字率も高く無知蒙昧な時代ではなかった。

 全然関係ないけど、家康は後々将軍直系が絶えたことを考えて、将軍候補(スペア)として御三家を創設したが、その予想は当たる。男子ししか将軍になれず、側室制度はあるが乳児死亡率も高かった時代。深謀遠慮である。その後、まさに御三家の紀伊藩から吉宗将軍家を継ぎ、さらに御三卿を創設し、またまた将軍候補(スペア)を創り出す。面白いなあと思ってしまう。

 今日は11kmをキロ7分35秒。暗いとやはり足元が怖くて走りにくい。

ペリー

 

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2025年11月23日 (日)

フィリピンパブ嬢の社会学

(中島弘象著)を読了。映画化もされている。著者は修士論文のためにフィリピンホステスを取り上げようと考えていた。大学院の指導教官は国際政治学が専門で、ジェンダーや多文化共生の観点から在日フィリピン女性の支援活動も行っている。そこで「フィリピンパブについての学術調査はないので、面白いかもしれません。」という了承を得る。

 ということで、フィリピンパブにお客として調査に入る。そこで紆余曲折あるがそこで働いていたミカさんと付き合うようになり結婚した。まあ、その「紆余曲折」が面白いのだが。そこでは「偽装結婚」「斡旋業者」「搾取」など法外なことが行われている。しかしながら、楽観的というか頑張り屋のミカさんとともに著者もいろいろこういった問題について対応せざるを得なくなる。結構リアルで興味深い本だった。私はそういった「パブ」には行ったことがないのだが、「金づる」とされるオヤジなんかの話を聞くと「哀れ・・」と考えてしまう。自分も気を付けよう。著者は無職なので、ミカさんは「金目当て」で著者と付き合っていたわけではない。しかし、このように自分の客から金を引っ張っている。「きれいごと」では生きていけない。

 ここで、このミカさんのフィリピンにいる家族及び親戚の話が出てくるのだが、まあ、金を使う使う(たかるたかる)。そもそもがミカさんとその姉の仕送りで高級住宅街に住んでいる。「家族だから」ということで当然のように金を要求する。そういった家族愛の「文化」だと考えられる。多文化主義、共生社会なのでいいのだが、私の金銭感覚と違うなあと思ってしまう。

 と、ここまで書いたら、「そういや、親の世代って結構兄弟間で金の貸し借りしてたよな。」と思い出す。父親は家を建てるときに、その土地が兄所有だったので借金をし、母親は弟にある事情でお金を貸していた。経済状況で「一族助け合い」の精神は国や時代を超えて成立することかもしれない。私がそうしないのは、たまたま自分も困ってないし妹らも困ってないからかも。

 続編に『フィリピンパブ嬢の経済学』があり、今読み途中。子どもが生まれたようだ。

 今日は3時間走。25kmをキロ7分11秒。

 『フィリピンパブ嬢の社会学

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2025年11月10日 (月)

普天を我が手に 第三部

 の予想を前回書いたのだが、よく考えたら月刊誌?に連載されていたので完結している。第三部はいつ発売か調べたら、その後の展開もある程度紹介されていた。

 森村ノラ以外は大体当たっていた。ノラさんはAP通信の記者からテレビ局の記者になるようだ。そうそう、他にも第二部で出てきた東大の渡部は読売新聞の渡邊氏だし、在日朝鮮人の東正会の町田氏は東声会の町井氏がモデルということがわかる。今ウィキを見たら、町井氏は関釜フェリーの韓国側のパートナーである釜関フェリーの設立者だった。

 12月17日に発売となっている。楽しみである。

 今日は14kmをキロ7分55秒。

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2025年11月 9日 (日)

普天を我が手に 第二部

(奥田英朗著)を読了。日本が太平洋戦争に突入、敗戦、戦後の混乱期までを描いている。昭和元年生まれの主人公の4人(竹田志郎、矢野四郎、五十嵐満、森村ノラ)も揃う時が来た。戦争中に生死は庶民にとって見たら「運・不運」でしかない気がする。そして周囲が「不運」な時に自分だけが「幸運」の場合の負い目。そして「お前は命が、家が、家族が助かったんだから、これぐらいいいだろう。」というような「貧すれば鈍んす」状態。なんか「不運」な目にあった時の心構えや、「幸運」だった時の身の処し方についても考えさせられるし、人々に(したことはあまりないが)優しくできたり、マナーを守るのも本当に「たまたまそういう境遇で、置かれた状況次第では、悪いことも辞さない」と考えてしまう。

 さて、この先日本は復興、高度経済成長、オイルショック、バブル崩壊、阪神淡路大地震、東日本大地震などなど、アメリカとのかかわりで言えば、朝鮮戦争、ベトナム戦争、9.11テロなどなど、あるが描かれるのだろうか?それと、竹田志郎は検察官になるようである。矢野四郎は裏社会のボスか・・と思いきや政治家かもしれない。この二人、ロッキード事件のようなことで、友情もありつつ戦う気がする。五十嵐満は芸能界のドン的な存在になるかも。森村ノラがよくわからない。やっぱりアメリカに行くのか。第三部が楽しみだ。

 昨日は用事があって走れず。今日は16kmをキロ7分19秒。

普天を我が手に 第二部

 

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