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2020年5月 2日 (土)

罪の轍

(奥田英朗著)を読了してしまった・・。

 事件は東京オリンピックの1年前。東京(山谷、浅草か)が舞台。暴力団や左翼、在日朝鮮人なども絡んでくるが、時代背景の関係から描かれたと思うが、私が思うにこれらもすべては「脇役」。そして、悲しいほど高度経済成長から取り残された貧困。ミステリーなので詳しくはかけないが、例の有名な誘拐事件で起こったであろうことが記述されている(読み終えて、調べた)。電話の普及による、匿名のイタズラ電話や愉快犯。テレビの普及による事件と野次馬の拡大。この辺などは、ネットが普及した現代と同じで、悪意ある人間の本質がまったく変わってない。そういや、印刷が普及し始めた時代でもトクヴィルが似たようなことを指摘したのを読んだことがある。

 電話・テレビの普及による誘拐事件に対応しきれてない警察。「報道協定」が結ばれたのもこの誘拐事件からだったそうな。さらに、今も大問題であるDVに児童虐待。読んでいると、現代ではリアルな昭和の猥雑さがなくなったけど、「人の悪」に関する部分は変化してない気がする。

 と・に・か・く、傑作であった。ゆっくり読みたかったけど、朝走る前に「残りをちょっと読んでいこう。」と思ったのが運の尽き。読み終えるまで走れなかった・・・。それにしてもamazonのレビューで☆1つをつけている人。信じられない。そもそもどういう期待でこの作品を読もうと思ったんだろう?

 ということで、お昼前から走り始め、暑い中を走る羽目に。20kmをキロ7分12秒。

 

 

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